サヨナラ32bit、ようこそ64bit。

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CS5が発売されたので、さっそく購入してみました。

今回の(自分的)目玉は、なんと言ってもネイティブに64bit対応したPremiere ProとAfter Effectsです。

今までは、64bit環境でも動く32bitアプリだったので、いくら我が家のパソコンにメモリが12GB乗っていても、アプリの方では4GB以上認識することが出来ませんでした。
32bit環境で動かなくなるのと引き替えに、メモリを使用できる上限が大幅に上がったワケです。

しかし、ここで1つの問題が…

今まで使っていたキャプチャボードが、そのままでは使えなく(使いづらく・あまり意味なく)なってしまったのです><

まずは、前段階の経緯から簡単に。

.avi にも色々あって

編集している時の動画の形式は「○○.avi」となっていることが殆どでしょう。

ですが、環境によって再生できたり出来なかったりしちゃいます。

これは、同じ.aviという名前がついていても、録画方法(圧縮・エンコード)がバラバラなため、対応した再生方法(展開・デコード)が必要になってしまうためです。

再生だけに関して言えば、コーデックの詰め合わせソフト「ffdshow」などを入れておけば、普段は特に意識しなくても動画を見ることはできます。

ただ、編集となると別。

あまりに高圧縮だと、劣化したり再生・展開するのに時間が掛かってしまい編集には向きません。
逆に無圧縮ならどんな環境でも再生できるかもしれませんが、2分のハイデフ動画(1280×720、60fps)で10GB以上とかなりサイズが大きくなってしまい、こちらも編集には向きません。

そこで、編集しやすいような中間ファイルを使うのが一般的だと思います。

「可逆圧縮」という、画質を落とさずにサイズをある程度小さくする形式がよく使われています。

MP4などは「非可逆圧縮」と言って、サイズをものすごく小さくするかわりに、画質や音質もかなり落としてしまう形式です。

だいたいの目安ですが、2分程度の動画だと

無圧縮.avi:12GB
可逆.avi:3~5GB
非可逆.mp4:50MB

こんな感じでしょうか。

圧縮にもいろいろあって

ちょっと脱線してしまいましたが、ぱっと見て同じ「○○.avi」であっても、可逆圧縮だったり非可逆圧縮だったり、その中でも圧縮方法(コーデック)が違うことがあります。

一般的なものを挙げると

【可逆】

  • Huffyuvs
  • Ut Video Codec Suite
  • Lagarith Lossless Video Codec
  • Fast Codec

【不可逆】

  • Divx
  • Xvid
  • Canopus HQ Codec

この辺でしょうか。
一般的なじゃなさそうなのも混じってますがw

なぜキャプチャボードが使えなく?

以前の環境では、HDSTORMというHDRECSの上位互換となるキャプチャボードを使っていました。

これはカノープス社の製品で、あまり一般的ではない独自の「Canopus HQ Codec」形式で録画されるかわりに、キャプボそのものが圧縮機能を備えているので、パソコン自体にあまり負荷を掛けず、低スペックのパソコンでもちゃんと録画することができるのです。
「ハードウェアエンコード」ってやつですね。

それと対になる「ソフトウェアエンコード」では、パソコン側が圧縮から保存から全部やらなきゃいけないので、かなり高スペックのパソコンでないとコマ落ちや音ズレしてまともに録画できなかったりします。

さて、↑に列挙したとおり「Canopus HQ Codec」は不可逆圧縮なんですが、画質をかなり維持したまま圧縮してくれるので、可逆圧縮したものと同じような感覚で編集することが出来ていました。

Windows7 64bit環境でも、録画自体は可能でした。

しかし、64bit専用となったPremiere ProとAfter Effectsを使うに当たって問題が発生しました。

Canopus HQ Codecは32bit版しかなかったのです。

だいぶ説明がごちゃごちゃしてきた気が^^;

【Windowsが32bit】
・32bitのソフト → 動く
・64bitのソフト → 動かない

これは単純ですね。

【Windowsが64bit】
・32bitのソフト → 対応していれば動く
・64bitのソフト → 動く

あれ?64bit万全じゃね?

いやいや、そうではなく。

【Windowsが64bit】
・32bitのソフト → 対応していれば動く
・64bitのソフト → 動く
・64bitのソフトから32bitのソフト読み込み → 動かない

えーと^^;;

具体的に言いますと、無圧縮の動画を再生するとき、再生ソフトはそのままaviを読み込めます。

しかし、Canopus HQ Codecで圧縮された動画を再生するとき、再生ソフトはCanopus HQ Codecを呼び出して圧縮された動画を展開させた上で、それを再生します。

再生ソフトが32bitのものであれば、同じ32bitのコーデックを呼び出せますが、再生ソフトが64bit専用だと32bitのコーデックを呼び出すことができず、動画として再生できないのです。

つまり、HDSTORM(HDRECS)でキャプチャした動画は、Premiere ProやAfter Effectsでは読み込めない、と。

[tegaki]オワタ\ (^o^)/[/tegaki]

32bitコーデックを強引に64bit環境で読み込ませるソフトもあるんですけど、デコード(展開)を2回も挟むためか重くて使い物になりませんでした。

キャプチャする時点でCanopus HQ Codec以外を使えば回避できそうですが、それだとカノープスのボード使う意味なくね?状態なので選択肢から除外。

「使えなく」なったワケではなく、「使う意味がなく」「優位性がなく」なったという感じでしょうか。

Intensity Pro 登場

さてさて、そうなってくると、高画質・高解像度で録画する方法は限られてきます。

その中で最善だと判断したのが、新たなキャプチャボード「Intensity Pro」の導入です。

このボードは「ソフトウェアエンコード」のため、かなりマシンスペックを必要とします。
それと、元々が企業向けの製品のため、個人使用のパソコンではかなり使いにくくクセが強いです。

圧縮方式は、64bitに完全対応している「Ut Video Codec」を選択。

このコーデックは、なんと開発者の方が日本人かつニコマスPなのです!

 > 或るプログラマの一生 » Ut Video Codec Suite

ドライバは、最新のものだと不具合が出るそうなので、3.4を使っています。
2.1でも動きました。

 > intensityまとめ – トップページ

X58チップセットと相性が悪いらしい?とあって、我が家のマザーボードがBIOSTAR社製「TPOWER-X58A」だったので心配でしたが、無事に動きました。

1つだけあるPCI-e(x1)のスロットに差し込んであります。

Intensityは、純正の録画ソフトがあまり使えないため、有志の手で作られたフリーソフトを使うのが一般的のようです。

私が使っているのは、くすのきTVHDというものです。

 > くすのきTVHD for Intensity

細かくいろいろ設定できる「ふぬああ」も入れてありますが、くすのきの方が設定項目が少なくて分かりやすいのでw

プレビューしながら録画すると音ズレしますが、ニコマスMAD用の素材として撮るなら音声は必要ないので気になりません。

長くなってしまった…

自分の備忘録+少しでも誰かの参考になればとつらつら書いてきましたが、ちょっと長すぎるかなw

こういう情報収集や試行錯誤も、動画を作る楽しさの1つでもあったりします。

まぁ、できればトラブルなく編集だけしてるのが一番ですが^^: